マイアミの球場で行われる決勝が3月21日。つまり、もう一ヶ月後にはWBCに臨む侍ジャパンの命運が決しているわけだ。
まだキャンプが始まったばかりであまり実感も沸かないけれど、強化試合などが始まれば徐々にそれも高まってくると思う。今大会はかつて日本ハムを率いた栗山英樹が監督の座に就き、選手も日米球界の強者を招集。関心は尽きない。そして、WBCを観終えた頃には日本のプロ野球も開幕する。‥うまい具合に国民の「野球熱」が最高潮に達していればベストだが、はたしてどうか。
侍ジャパンが集った宮崎キャンプで、今のところ話題を独占しているのが、ダルビッシュ有。彼がNPB、ハムにいたのは月日の流れは早いもので、今から12年前である。‥もはや海外でのプレイしか拝んだことのない若い選手も、あのメンバーの中にはいるだろう。
ダルと同じ時代を生きられたファンは誠に幸運‥ いや、幸福であった。待望していた「絶対エース」の誕生を、この目で観ることができたのだから。野茂英雄や松坂大輔ら、その時々のリーグを代表すると言われた投手を「傍目」で観てきた。けれども、ハッキリいってダルはその次元以上だったというか、とにかく負けない‥ どころか、そもそも「打たれない」。おまけに大舞台にも強くて、こんな頼もしすぎる投手が日本ハムに居たことすら、昔も今も、誇りに感じる。
先のパドレスと結んだ長期契約。これで将来的な日本球界への帰還がほぼ絶望的となり、まぁ残念に思う気持ちも少しはあるが、スーパーエースのまま我々の心の中に留まり続けるのも、それはそれでアリかもしれない。はやく日の丸を背負った彼の雄姿を観たい。
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退団会見や動画での過去の発言、今回も宮崎入りする際にファイターズキャップを身に付けていたりと、古巣である日本ハムへの愛着をダルからは端々に感じられる。したがって、もし彼がNPB球団に戻るとすればハム‥ そんな確信的なものを、ファンの人なら自ずと持っていたのではないか。
この逆のケースで、ファンからいささか反感を買ってしまったのが 有原航平。この前読んだ週刊ベースボールが「新戦力特集」だったのだけれど、そこに彼の記事が(※1)。
誌面では、有原の隣に千葉ロッテ入りした澤村拓一が取り扱われていた。その澤村が入団の決め手として『(メジャー行きの際)快く送り出してくれた義理を守る』そう男気を見せる横で、あたかも金と長期契約に釣られたかのようなテイの有原‥。この「対比」が、また何とも言えなかった。一部報道では日本ハムも有原にはオファーを出していたというから、よけいタチが悪い。
今季のソフトバンク戦、「有原討ち」でなんとか一矢報いたい、ファン心?
《参考》
(※1)週刊ベースボール 2023年 02/27号 [雑誌]