ペイペイドームにて北海道日本ハム側がリクエストを行った際、『ビッグボスよりリクエストがありました。ただいまよりリプレイ検証を‥』の球場アナウンスに、スタンドが笑いに包まれていた――
あらためて耳にする「ビッグボス」の異質さが理由と思われるが、それで笑いが取れるBIGBOSSが羨ましいw
しかしながら、このリクエストという制度はアタリだった。同時期にできたコリジョンだかのルールと比べて分かりやすいのは勿論、なにより微妙な判定に対し、白黒ハッキリつけられる点が良いではないか。ミスジャッジを半ば「公開処刑」のようにされる審判団を除き、一種のエンタメな要素もある。
今日のVTRの質の向上はあるにせよ、もっと以前から導入されていたら、はたしてどうなっていただろう。半分とはいかないまでも全体の2、3割は当初の判定が覆っていたやもしれない。となれば、日本野球界の歴史は全くちがうものになっていた可能性もあったわけで‥。過去に起きた、怪しいジャッジの数々が脳裏に浮かんでしまう。
1日のオリックス戦で珍しいケース。2回に放った清宮幸太郎のライト方向への大飛球が「右飛」とされた。ライトを守る杉本裕太郎の好守。‥と、これだけ書けば何も問題はないのだが、よくよく確認してみればフェン直(フェンス直撃)だったという‥。さらに、ここでリクエストをしなかった首脳陣(BIGBOSS)が翌日、ネットニュースなどで責められていた。
たしかに惜しいことをした。清宮は久々のヒットを損してしまったし、先制のチャンスを潰しかけた。これは結果的に後続の打者が打って、得点を奪えたから言えるのだけれど、あらためて映像技術の進化には恐れ入ったというか‥。
ハム首脳陣はおろか、何もアピールしなかったところをみると清宮当人も「捕られた」と思っていたはず。おそらく審判団も誰一人気づいていおらず、高度なリプレイ映像を用いて初めて発覚した。それまで真実を知っていたのは杉本、ただひとりである。
‥何万もの人を欺いた、杉本の超美技 もどき(笑)。もっとも、フェン直からのダイレクト捕球も巧い守備ではあったのだが。
肉眼で気づけないほど、一瞬のプレイ。とはいえ、せっかくリクエスト制度があるのだから、活用はしてほしかった?
今季は無冠に終わりそうだが、オフに珍プレー大賞獲得か
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その試合で珍しかったのは他にもあって、オリックスの先発・山岡泰輔。失点2ながらも自責点は0。リーグ防御率1位をキープする好投を展開しながら、味方のミスも重なって敗戦投手となった。
対した北海道日本ハムの先発・上沢直之は毎回のように走者を背負う苦しいピッチング。それにもかかわらず山岡に「投げ勝って」しまうのだから、野球はわからない。
先週の試合から近藤健介が復帰。難敵、山本由伸からさっそく2安打放ってみせ、いずれも得点に絡んだ。近藤が一枚加わるだけで、やはり打線がピリリと引き締まる。
これまで続けてきた規定打席到達は極めて厳しい状況。しかし、通算打率も3割台越えがかかる彼にとって無駄なシーズンなど1年もない(4日現在.307)。ファイターズ史上に残るヒットマンの巻き返しに期待だ。